妻の妊娠が発覚したら、いろんな人に報告することになります。
両親であればなるべく早く知らせてあげるべきですし、友人であれば次回会う時まで内緒にして、サプライズでびっくりさせるのもありかもしれません。
一方で、少々悩むのは、会社への報告です。
あくまでプライベートのことなので、
「報告する必要はないのでは??」
と考えることもできますし、
「仕事では、報連相が大事!!」
だということで、すぐに報告するのがいいようにも思えます。
また何よりも、いちサラリーマン(平社員)としては、
「会社や上司との関係が悪くならないようにしたい」
というのが、本音でしょう。
この記事では、「会社員は、いつ妻の妊娠を会社に報告すべきなのか」を、筆者の経験と考えを基に、皆さんに共有いたします。
【この記事は?】
- 「妻の妊娠をいつ会社に報告すべきか」を、理由とともに共有します。
- 実際に報告すべき具体的内容を紹介しています。
- 上司に送るメール文案もあります。(コピペOK)
それでは、一緒に男性が主体的にかかわる妊娠・出産を目指していきましょう!!
結論:母子手帳をもらったら、妊娠は報告すべし!
会社への報告は、「母子手帳の受取」をひとつの目安にするべきです。
母子手帳は、いつでも受け取れるものではなくありません。
「妻のおなかに赤ちゃんがいること」と「赤ちゃんの心臓が動いていること」が産婦人科で確認できた妊娠10週ぐらいの時期に、お医者さんの指示のもと、役所に受け取りに行くものです。
会社への報告までの流れをまとめると次の通りです。
- 産婦人科で、胎嚢と赤ちゃんの心拍を確認する。(妊娠8週~10週頃)
- 役所で母子手帳を受け取る。(妊娠8週~11週頃)
- 会社に妻の妊娠を報告する。(妊娠10週~12週頃)
「産婦人科での赤ちゃんの確認」と「母子手帳の受取」については、次の記事で詳細を紹介していますので、あわせてお読みください。
「安定期」まで待っていては遅いと感じた理由
会社への報告のタイミングについては、大きく分けて2つの考え方があります。
- 【筆者推奨】母子手帳を受け取ったタイミング(妊娠10週頃)
- 「安定期」に入ったタイミング(妊娠16週頃)
「安定期に入ってからの会社への報告」をオススメする情報サイトやブログは、数多く存在します。
それらの記事が、「安定期に入ってから」を推す理由としては、
「妻のつわりが落ち着くから」
「流産の可能性が低くなるから」
などと書かれています。
しかし、妻の妊娠を会社に報告する目的を考えると、これらの理由は不適切のように筆者は感じました。
むしろ、「安定期」まで待って会社への報告が遅くなることで、かえってデメリットが大きくなると考えています。
「会社への報告は安定期まで待つ必要はない」と考えた理由を紹介します。
理由① 妊娠初期は、特に夫と周囲のサポートが必要な時期
妊娠初期は妊婦さんにとって、肉体的にも精神的にもつらくなる可能性が高い時期です。
特に「つわり」がそれを代表する症状です。
つわりがひどく、「日常生活を送るのもつらい」という妊婦さんは少なくありません。私の妻もとてもつらそうにしていました。
そのなかで、妊娠初期における夫である男性の皆さんの重要役割は、
病院に送迎したり、家事をいつも以上にやったりと、苦しい妻をサポートする時間を作ること
になります。
しかし残念ながら、時間は自分一人の力では、なかなか生み出せません。
特に仕事がある日は、個人の力では時間を作ることに限界があります。
そのため、妻のサポートをする時間が必要であることを、早めに会社に理解してもらう行動がとても重要になってきます。
- 「安定期まで会社への報告を待つ」ということは、つわりなどの症状がつらい妊娠初期の期間を、会社からの理解や助けなしで過ごさなければならないということ。
- 母子手帳を受け取ったタイミングで報告すれば、周囲からの理解や協力が早い段階から得られ、つらい妊娠初期も夫婦で乗り越える環境を作ることができる。
つわりの妊婦さんを家族でサポートするためには、夫婦が勤めている会社の協力は不可欠です。
妊娠初期は、会社の協力がまさに必要な時期!!!
安定期まで待っていては、必要なサポートをするのが難しくなります。
つわりについては次の記事で詳しく紹介していますので、知りたい方は是非ご覧ください。
理由② 流産の可能性はゼロにはならない。
確かに、つわりでつらい妻をサポートしたいですが、流産の可能性があると思うと、会社の人には話しづらいです。。。
流産などの悲しい出来事を周りに話すことが、つらい気持ちはよくわかります。しかし安定期に入ったからといって、流産の可能性がゼロになるわけではありません。
え、そうなんですか??
流産のリスクは低くなるが、なくならない。
確かに、流産全体のうち約8割ぐらいは妊娠初期に起きています。
しかし、流産する割合は、赤ちゃんの心拍が確認できる妊娠8~10週頃には10%以下まで下がってきて、母子手帳を受け取る12週頃には5%以下になります。
一方で、安定期にあたる妊娠16週まで仮に待ったとしても、流産する可能性は引き続き2%程度あることが過去の研究からわかっています。
当たり前ですが、生まれるまで流産・死産の可能性がゼロになることはありません。
妊娠中は、常に流産する可能性があることを理解した上で、周りに報告することがとても重要です。
赤ちゃんの心拍が確認できないうちは、流産の可能性が10%以上あるので会社に妊娠の報告するには早いでしょう。
一方で、心拍が確認できて、母子手帳を受け取ったのであれば、流産する可能性がゼロにはならないことを理解した上で、早めに会社や周りの人々に協力を求めることはとても価値がある行動です。
流産のリスクについては次の記事で詳しいことを紹介しています。
流産を隠すことが、必ずしも良いとは限らない。
またそもそも、
「流産を周りに隠す必要があるのか」
ということも考えるべきだと筆者は考えています。
流産は誰にでも起きうることで、その割合も妊娠5~6回に1回と決して低くありません。
しかも、母体に原因はなく、赤ちゃん側の異常が原因であることがほとんどです。
自分たちにはどうしようもできない流産を周りに隠すのではなく、周りに打ち明けることでむしろ前向きになれることもあります。
実際に早めに周りに妊娠を伝えてから、流産となってしまった方のエピソードを紹介します。(掲載について、了承はいただいております。)
私も妊娠の報告をわざわざ安定期まで待つ必要はないと思いました。
私の場合はクリニックで自分が妊娠していることを確認した後にあった人、皆に報告しました。
その後、流産しましたが、流産のことも皆さんにちゃんと話しました。
その方が自然体でいられるし、とても気が楽でした。
特に喫煙者の方が気を使ってくれて、とても嬉しかったです。
「流産」は残念で、つらいことではありますが、恥ずかしいこと、隠すようなことではありません。
夫婦で流産の不安を抱え込むのではなく、むしろ周りに打ち明けることで、気持ちが楽になることもあります。
早めに会社に報告するメリットと比べて、夫婦で相談してみてください!
理由③ 企業側も報告が早い方が、助かることも!
男女関係なく、社員から早めに妊娠の報告を会社にすることは、実は会社側にもメリットがあります!
【妊娠の報告を早めにする企業側のメリット】
- 企業側の義務となる育児休業制度の周知と意向確認がスムーズに行われる。
- 育児休業を取得する場合には、後任の手配などの企業側の準備に十分な時間を確保できる。
2021年の法改正に企業は対応する必要がある!
2021年に育児・介護休業法が改正され、2022年4月から、事業主は妊娠・出産を申し出た従業員(本人・配偶者)に対して、育児休業制度を周知して、取得意向を確認する義務が課せられることになりました。
さらに、2023年4月に企業側は、育児休業の取得状況について公表する義務も課せられるようになります。
この法改正により、企業側としても、
「漏れがないように、従業員の妊娠・出産について把握していかなければいけない」
という状況になっていくことが想定されます。
従業員の側から妊娠・出産のライフイベントについて、企業側にしっかり伝えることは、企業側からしても助かる行動といえるのではないでしょうか。
後任探しには、時間が必要!
従業員が育児休業の取得する場合、企業側は不在期間の後任について、対応を検討する必要があります。
長期間の育児休業を取得する場合には、新規に人材を雇うことも考えられます。
企業側としては、一日も早く育児休業を取得する意思があるかを確認し、人材の調整・確保のための手続きを開始したいはずです。
従業員側が早めに妊娠の報告をすることで、企業側の人材確保の手助けになるのです。
私は長期間の育児休業を取得するつもりだったので、妻の妊娠を報告する際に、その意思を上司と人事に伝えました。早めに伝えたことで上司と人事のやり取りが促進され、早い段階で私の後任を確保することできました。
業務や人材を管理する上司や人事のため、そして何より育児休業中に自分自身が心残りなく育児に専念するためにも、早めに育児休業の話をするのは重要だと思います。
企業側に報告する時のポイントは??
では実際に会社に報告する際のポイントも紹介しておきます。
【報告する相手】
- 人事担当
- 直属の上司
【報告内容】
- 現在の週数と出産予定日
- 現在の妻の様子とサポートすることに対する理解・協力のお願い
- 育休取得の意思があること
一番重要なのは、「妊娠・出産というのは大変な時期なので、今後家庭を優先することがある」ということを伝えることです。
また育児休業を取得する意思がある場合には、そのこともこのタイミングで上司と人事の両方に伝えておくことが重要です。
妊娠の報告や育児休業を取得する意思があることは、直属の上司だけでなく、必ず人事など複数人に伝えるようにしましょう。
報告した相手が、たまたま妊娠の大変さや男性の育児休業を取得に対する知識や理解がなかった場合、協力的でなく、最悪パタハラを受ける可能性があります。
自分の身を守るためにも、会社の中で育児休業などの制度に精通している人も含めて報告・相談することがとても重要です。
報告メール文(例)
メールで報告する場合の例文を作成してみましたので、よろしければご活用ください。
●●部長、▲▲課長
人事部 ■■さん
お疲れ様です。◆◆です。
私事でございますが、先日妻が妊娠していることがわかりました。
病院を受診したところ、今のところ順調に成長しており、現在妊娠〇週とのことでした。
出産予定日は〇月〇日となっております。
現在、妻はつわりの症状が出始めており、少々つらそうにしております。
できるかぎり、妻をサポートしたいと考えており、症状が重たい時にはお休み等をお願いすることがこれからあるかもしれません。
まだ妊娠初期でこれから先どうなるかわからない部分もございますが、無事に産まれてきた際には、私自身、育児休業を取得したいと考えております。
具体的な期間や業務の引継ぎ等については、また後日ご相談させてください。
これからご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、ご理解とご協力いただければ幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
まとめ:母子手帳はあなたが「父親」である証
今回の記事では「妻の妊娠を会社に伝えるタイミング」について考えてきました。
もしこの記事を読んで、安定期まで待たずに、母子手帳を受け取ったタイミングで会社に報告することに賛同いただけたら、とてもうれしいです。
母子手帳を受け取ったということは、すでにあなたはおなかの中の赤ちゃんの父親です。
是非、ひとりの夫、ひとりの父親として、大変な妊娠初期を夫婦で乗り越えられる環境を自ら作ってください。
それも、男性が主体的に妊娠・出産に関わることの一歩だと思います。
ずっち