男性のための妊娠・出産 基礎講座

妊娠中の喫煙の影響は?夫も禁煙すべきこれだけの理由。

こんにちは!ずっちです。

『ドラマ「コウノドリ」から学ぶ妊娠・出産』シリーズ第1号。

今回取り扱うテーマは「妊娠と喫煙」です。

たばこは身体に悪いとは知られていますが、「じゃあ、実際に妊娠にどんな影響を与えるのか」という情報はあまりまとまっていません。

また、夫の喫煙(受動喫煙)の影響についても気になるところです。

この記事では、ドラマ「コウノドリ」から妊娠における喫煙のリスクについて学び、夫の喫煙の影響についても国際機関のレポートを読み解きながら、どのようにする必要があるのかを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

【この記事は??】

  • ドラマ「コウノドリ」から妊娠における喫煙のリスクを学びます。
  • 妊娠と喫煙に関する国際機関(CDCやWHO)のレポートを紹介します。
  • 夫の喫煙(受動喫煙)の赤ちゃんにあたえる影響についても紹介します。
  • パートナーが妊娠したら、夫が禁煙すべき理由について考えます。

それでは一緒に男性が主体的にかかわる妊娠・出産・育児を目指していきましょう。

【妊娠と喫煙】「コウノドリ」ではどんなお話??

お話のあらすじ

喫煙をやめられない妊婦 木村法子さん

2015年に放送された「コウノドリ」シーズン1の第2話「答えのない選」と第3話「2つの手がつなぐ奇跡」に登場する妊婦の木村法子(きむらのりこ)さん。

「たばこはやめなきゃ」と思いながらも、法子はなかなか止められずにいた。

育児において、法子のことを信頼せずに毎日過度に電話をかけてくる義母。

母の対応もろくにせず、法子にだけ「禁煙しろ」と言って自分はのんきにタバコを吸う夫。

彼らから受ける日々のストレスで、法子はたばこを吸わずにはいられなかった。。。

厳しく指導する産婦人科医 四宮、見守る助産師 小松

法子の担当医である星野源演じる産婦人科医の四宮は、法子に対して繰り返したばこをやめるよう指導してきたが、なかなか止めないことに対して、妊婦健診で厳しい言葉を突き付ける。

「たばこをやめない人に母親になる資格はありません」

吉田羊演じる助産師の小松は、法子に寄り添い、喫煙のリスクを丁寧に説明する。

法子は小松の声に耳を傾け、喫煙のリスクを理解するものの、自分だけが我慢しなければいけないことに、不公平感を感じていた。

法子の容体が急変、緊急手術に!

四宮と小松の指導後も、喫煙を続けてしまった法子。

ある妊婦健診の日、とうとう病院前で倒れてしまう。

担当医の四宮は「胎盤早期剥離」と診断し、緊急帝王切開の手術を開始。

しかし、いつも冷静な四宮の様子が何かおかしい。

そんな時、手術中にトラブルが発生してしまう。。。

つづきが気になる方は、ドラマ「コウノドリ」を見よう!

法子とおなかの赤ちゃんはいったいどうなってしまうのか?四宮先生の抱える過去とは??

いやー、気になりますねー。

ドラマ「コウノドリ」は妊娠・出産について学べるだけでなく、リアルな地域母子周産期医療センターの風景と出産の尊さを描いた本当に素晴らしい作品です。

お恥ずかしながら、私、ずっちは毎話、毎話泣いています。

これからパパになる方はもちろん、すべての男性に是非見ていただきたい作品です

またすでに一度ご覧になった方も、「妊娠・出産について学ぶ!」という視点で是非もう一度復習いただければと思います。

ドラマ「コウノドリ」はAmazonプライムやU-NEXTで視聴いただけます。

どちらの動画配信サービスでも現在、Amazonプライムは30日間、U-NEXTは31日間の無料体験を実施中!!

みなさん!「コウノドリ」一気見のチャンスです!

ずっち

ドラマ「コウノドリ」は2015年放映のシーズン1と2017年放映のシーズン2、合わせて21話あります。

私はU-NEXTで1日1話、無事、無料期間中に見終わりました!

妊娠中のたばこは赤ちゃんにどんな影響がある??

ここからは、実際に妊娠中の喫煙のリスクについて紹介していきます。

「コウノドリ」を見ていなくてもわかるように丁寧に解説していきますので、安心してお読みください。

一部、ドラマの内容に触れる箇所があります。ネタバレにはならない程度にとどめているつもりですが、まっさらな状態でドラマを見たい方はこのブログを読む前にドラマを視聴することをお勧めします。

助産師 小松から学ぶ喫煙のリスク

あらすじでも紹介したように、お話の中では担当医の四宮先生が「たばこをやめない人に母親になる資格はありません」という厳しい言葉を法子につきつけます。

「なぜここまで厳しい言葉を四宮先生が使うのか」

その答えは助産師の小松さんが優しく法子さんと私たち視聴者に教えてくれています。

ではそのシーンを振り返りましょう。

法子さん

なんであそこまで言われなきゃいけないんですか。私だって我慢していることいっぱいあるんですよ。。。

助産師 小松

胎盤って、木の根っこみたいに血管が入りめぐらされていて、お母さんと赤ちゃんをつないでいるの。タバコを吸うとね、この胎盤の血管の血流が悪くなって赤ちゃんに十分な栄養や酸素がいかなくなります

法子さん

、、、、、はい。

助産師 小松

赤ちゃんが小さく生まれたり、流産や早産のリスクも上がるんです。

一番怖いのは胎盤早期剥離と言って、先に胎盤がはがれてしまうこと。最悪赤ちゃんが亡くなることもあるんですよ。

法子さん

赤ちゃんが???

助産師 小松

お母さんも大量出血で命が危なくなることもあります。

この短時間で会話で、たくさんのリスクについて言及がありました。

ちょっと整理したいしてみました。

【喫煙のリスク】

  • 流産率が2倍になる。
  • 早産率が1.5倍になる。
  • 「常位胎盤早期剥離」のリスクが2~3倍になる。

【常位胎盤早期剥離とは??】

正常な位置にある胎盤が、赤ちゃんが子宮内にいるにもかかわらず、子宮壁からはがれてしまうこと。

赤ちゃんへの酸素や栄養の共有が滞るだけでなく、はがれたところからの出血により母体も危険な状態になることがあります。常位胎盤早期剥離は母体の声明を脅かす大量出血の原因第2位です。

引用:「ダンナのための妊娠出産読本 荻田和秀」より抜粋

ドラマでは触れられていないリスクの報告も多数!!

まだまだ、これで終わりではありません。

ドラマ「コウノドリ」では触れられていないリスクも、多数報告されています。

米国疾病管理予防センター(CDC)のホームページには妊娠期間中の喫煙によって次のリスクがあることが報告されています。

【喫煙による妊娠への影響】

  • 喫煙する女性は妊娠しづらくなり、妊娠できないリスクが高くなる
  • 妊娠中の喫煙は胎児の身体、特に肺と脳に損傷を起こす可能性があり、いくつかの研究では妊娠中の喫煙と口唇口蓋裂との関連を指摘している
  • 研究ではたばこと流産の関係も指摘されている。たばこの煙に含まれる一酸化炭素は成長中の赤ちゃんが十分な酸素を得ることを妨げうる。また、たばこの煙はその他の胎児の悪影響を及ぼす物質を含んでいる。

【 喫煙による赤ちゃんへの影響 】

  • 喫煙する母体は早産になりやすい。早産は新生児の死亡、障害、病気の主な原因となっている。
  • 妊娠中、喫煙した母体から生まれた赤ちゃんの5人に1人は、低体重である。妊娠中、受動喫煙の状態に晒されていた場合、より低体重児が生まれやすい。赤ちゃんが小さすぎたり、生まれるのが早すぎると、健康状態が悪くなる。
  • 妊娠中に喫煙したり、赤ちゃんが生後受動喫煙の状態にさらされると乳幼児突然死症候群によって死亡する可能性が、そうでない赤ちゃんに比べて高くなる。母親が喫煙する場合、赤ちゃんは約3倍乳幼児突然死症候群で死亡する
  • 妊娠中に喫煙したり、赤ちゃんが生後受動喫煙の状態にさらされると肺の機能が他の赤ちゃんと比べて弱くなり、他の健康上のリスクが高くなる

【CDC Smoking During Pregnancy(妊娠中の喫煙)】

https://www.cdc.gov/tobacco/basic_information/health_effects/pregnancy/index.htm

ずっち

仮に赤ちゃんが無事に生まれてきても、乳幼児突然死症候群の可能性を高くなったり、肺などの機能が低下してしまったり、妊娠中の喫煙の影響は生まれた後も続きます。

喫煙がどれほど、赤ちゃんに影響があるかご理解いただけたのではないでしょうか??

世界保健機関のレポートから見る!夫の喫煙(受動喫煙)は超危険!?

妊娠期間中の受動喫煙のリスクは何がある?

既に広く知られている事ではありますが、本人がたばこを吸わなくても、周りの人が吸うことで間接的にタバコの煙を吸ってしまうことを「受動喫煙」と言い、健康への影響は決して小さくありません

特にたばこから直接出る「副流煙」は、喫煙者が吸っている煙よりも有毒であることが知られています。

世界保健機関(WHO)が2021年3月に発効した「子供の健康と発達を改善するためのたばこ規制」というレポートには明確に「受動喫煙」がおなかの赤ちゃんに与える影響に関する記載があります

その一部を紹介したいと思います。

妊娠期間中の親の喫煙及び受動喫煙は、胎児の成長と周産期の経過への悪影響、および乳児死亡率の上昇に関連があります。

つまり、胎児が親の喫煙または受動喫煙にさらされることで、先天性疾患、死産、早産、乳児死亡につながります。

母体の妊娠中の喫煙は乳児の死亡及び先天性疾患のリスクを2倍にし、他方で受動喫煙は死産のリスクが23%、先天性疾患のリスクが13%高くなります。

低中所得国ではほどんどの女性が喫煙していませんが、多くの男性が喫煙するため、受動喫煙の妊娠への影響が特に顕著です

世界保健機関「子供の健康と発達を改善するためのたばこ規制」より抜粋

https://www.who.int/publications/i/item/9789240022218

ずっち

妊婦さんがたばこを吸っていなくても、周りの人が気にせずにたばこを吸えば、赤ちゃんへの影響は避けられません!!

妊婦さんの喫煙も、夫の喫煙(受動喫煙)も、同様のリスクがあることをしっかりと認識しておく必要があります

ドラマの中のダメ夫に絶対ならないために

私がこの記事を読んでくださっている男性の皆さんに是非お願いしたいのは、1つです。

パートナーが妊娠したら、禁煙してください。

理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は簡単で、大切なあなたのパートナーとおなかの赤ちゃんを危険にさらす可能性があるからです

そしてもう一つの理由は、パートナーをひとりにしないためです。

「コウノドリ」に登場する法子の夫は、法子に「禁煙しろ」というだけで、自分は一切自分の生活を変えようとしない人物でした。

その結果、法子は「なんで自分一人だけが我慢しなければいけないのか」、「不公平だ」とストレスを抱え、結果的にたばこをやめられず、危険な出産となりました。

そんなのドラマだけの話と思われるかもしれません。

しかし、実際に妊娠したすべての女性はたばこに限らず、実際に食事や行動、日常生活が大きく制限され、妊娠前とは生活が一変します。

そんな時、一番近くにいる夫が一緒に新しい生活を受け入れて、行動変容をするかしないかでは、妊婦さんの気持ちは大きく変わると思います

つらくて、大変な妊娠期間を乗り越えるためには、夫婦で支えあうことが最も重要です。

ずっち

仮に法子の夫が、「俺も禁煙するから、一緒に頑張ろうぜ」と言ったら、お話の結果は全然違ったのではないかと、私は思います。

皆さんは絶対に法子の夫みたいにならないでください!!

ドラマの四宮先生だったら、 「たばこをやめない人に父親になる資格はありません」とはっきり言うと思うのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

妊娠期間の喫煙・受動喫煙のリスクとパートナーが妊娠したら、夫も禁煙すべき理由をご理解いただけたら嬉しいです。

  • たばこは赤ちゃんにとって百害あって一利なし。それは受動喫煙も同じこと。
  • パートナー任せの妊娠期間にせずに、夫婦で乗り越える妊娠を目指して禁煙しよう!

もっと「妊娠とたばこ」に関する知識が社会全体に広まって、例え喫煙者であっても、妊婦さんを見かけたら、グッと吸いたい気持ちを我慢してくれるような人が増えたらいいですよね。

もし家族やお友達に喫煙者がいたら、「こんな話があるんだよ」と共有していただけたら、嬉しいです。

この「ドラマ「コウノドリ」から学ぶ妊娠・出産」はシリーズにしていきたいと考えておりますので、次の記事もお楽しみに!!(取り扱ってほしいネタなどあれば、是非ご連絡ください!)

ずっち

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